EO (Entrepreneurs Organization)について

EO関連で来客や外出が定期的にありますので、簡単にEOについてまとめておきたいと思います。

特徴として、下記が挙げられると考えています。

・グローバルの起業家ネットワークであること
・よくある「名刺交換しながら飲食して終わり」ではなく、濃いコンテンツがあり、濃い学びと人間関係が得られること
・運営者が営利目的で行っている訳ではなく、起業家自身がそれぞれ手弁当で運営を支えていること

■EOとは?

EO - Entrepreneurs Organization(起業家機構)は、1987年に設立された、年商$1MILLIONを越える会社の若手起業家の世界的ネットワークで、現在46カ国143チャプター、約10,000名のメンバーによって構成されています。

EOジャパンはその日本支部として、1995年10月にグロービス堀社長(EOジャパンファウンダー)を中心に日本の起業家が集まりEOジャパンチャプターがアジア初で設立されました。現在第19期では191人の起業家(ファウンダー)が在籍しております。

EOジャパンは、アジアパシフィックエリアではNo.1の会員数で、世界のチャプターの中でもニューヨークに次いで世界第2位の規模を誇っています。毎年世界のチャプターに向けて行われるEOメンバーへの満足度調査でも、EOジャパンは世界最高水準の評価を得ており、メンバーの継続率も非常に高く、創業者(ファウンダー)のみで構成している団体としては、世界そして日本でも他に類を見ない存在です。

EO Japanのウェブサイトより)

入会基準は「総売上高100万ドル(1億円)以上の起業家(創業者かつ代表経営者)」となっています。

現状のEO Japanのメンバー一覧はこちらです。

■グローバルネットワーク
上記のようにグローバルの起業家ネットワークであることが1つの特徴です。
EO Globalのウェブサイトに記載がありますが、既に48の国で147の地域に分かれて活動拠点があり、
会員は1万人以上、会員の平均売上は60億円となっています。

特に僕自身が経験しているのはアジアでのEOネットワークの濃さです。
リトリートと呼ばれる海外合宿・企業訪問のイベントが年に1度あるのですが、
日本からメンバーが来るとなるとどの国も20名前後のメンバーが歓迎に来てくれたり、
快く企業訪問やその後の会食に招待してくれます。

通常はアポすら取れないような当地では大きな企業の代表もEOの、それも日本からの仲間ならということで
快く・気前よく対応してくれています。

グローバルに事業展開している起業家は、このEOのグローバルネットワークが
直接的にビジネスに繋がったという例も珍しくありません。

■濃いコンテンツ、学び、人間関係
EOには起業家に対して様々なコンテンツ・仕組みを提供していますが
飯原が活用させて頂いているものの中で代表的なものを下記に紹介します。
(フォーラム/ラーニング/メンターシップ)

◎フォーラム
フォーラムは固定の8名前後のメンバーで構成される組織で、毎月1度必ず全員が集まり開催する、
EOの中でもベースとも言えるメインコンテンツの1つです。
(飯原のフォーラムの場合は昼の13時に開始し、18時頃に終了、その後会食になることが多いです。)

EOが出来たきっかけの1つとして、仲の良い経営者仲間の中でいつも食事等共にしていたにも関わらず、
その中で非常に残念なことに自殺者を出してしまったことで、悩みを周囲に打ち明けにくい起業家のための
濃いコミュニケーション、学びや気付き等の場として提供されています。

内容としては、アップデートと呼ばれる過去30日と未来30日に関して、
「会社」「家族」「個人」の3つの項目に対して良いことも悪いことも含めて、
共有・更新をメンバーに対して行います。この時に、「普通は人にはこんなことまでは言わないよな」
ということも含め、(これを「上下5%をきちんと出す」と呼んでいます。)メンバーと共有します。

その次に、アップデートや前回のアップデートの中で、
「これは全員ともっと深堀りして共有して意見交換すべき」というトピックを
「重要度」「緊急度」の観点からピックアップし、議題として取り上げます。

議題に関しては議題を提供・発表する「プレゼンター」と
そのサポート、引き出しを行う「コーチ」を決定し、当日もしくは次回にプレゼンテーションを行います。

プレゼンテーションに対して、他のメンバーは適宜質問を行ったあとで、
自分がシェアできる体験や感情を一人一人発表します。

問題解決ではなく、「シェアできる体験や感情」と書いたのは、フォーラムの運営ルールとして、
「守秘義務」の他に、「ゲシュタルトプロトコル」と「自己責任」というものがあるからです。

「ゲシュタルトプロトコル」と「自己責任」は、簡単に言うとプレゼンテーションに対して、
問題解決をするようなアドバイスをしてはいけない、問題解決の方法や決断は最終的には
本人が本人と向き合った上で行うものであり、他のメンバーが問題解決を行おうとすることによって
生じる、フォーラム内での上下関係や批判、非難、特に問題解決出来なかった時に発生する
トラブルを防ぐためのルールです。

フォーラムではその他に、適時その時のメンバーの興味・関心事項を取り上げ、
それぞれの会社や他社事例を持ち寄り相互の参考としています。
(採用や人事評価制度、社内トラブルに対する対処法、財務・税務等)

通常、上記の内容を毎月メンバーのオフィスに集まり実施していますが、毎年それぞれ1回づつ、
リトリート(海外合宿・海外EOメンバーやその他知人の企業訪問)と
ミニリトリート(国内合宿・国内EOメンバーやその他知人の企業訪問)を行っています。

写真:リトリートでマレーシア、台湾を訪問・見学

写真:ミニリトリートで熊本の再春館製薬所を見学

フォーラムは「鉄の掟」があることも特徴で、飯原のフォーラムでは、
フォーラム時の休憩・再開時の遅刻が1万円、1時間以内の遅刻・早退が5万円、
1時間以上の遅刻・早退が10万円、欠席が15万円、またフォーラム入会後2年以内の退会は
30万円の罰金が課せられます。(それくらい規律を大事に運営しています。)

◎ラーニング
不定期に開催される、文字通り学びのためのコンテンツです。
ラーニングにも、ビジネスラーニング、パーソナルラーニング、ファミリーラーニングなど
それぞれの起業家のニーズにあわせて不定期にコンテンツが提供されています。

飯原はほぼビジネスラーニングに参加していますが、EOメンバーの人脈の中で一代で大きな事業を
作り上げた方や、現役の社長で急成長を続けている方に講師になっていただき、
ワンデイもしくは2,3回セットであるテーマに対して講義と質疑を行うものです。

講師も素晴らしい方ばかりですし、ラーニングに集まる起業家も成長意欲・意識ともに高いメンバーで
ノウハウだけではなく、非常に良い刺激を頂く場になっています。

◎メンターシップ
最近EO Japanの中で本格的に提供始められたコンテンツです。

基本的にEOメンバーの中から人望と高い成長を認められている先輩経営者をメンターとし、
希望者の中から面接を通過した意識高く、メンターシップにコミットできるメンバーをメンティーとして、
1:1の場で経営相談や目標達成に関する直接的なアドバイスが得られる場です。

通常一年限定のプログラムで、期初にメンティーを選定し、目標設定を行いメンターシップを開始します。
こちらも一ヶ月に一度、必ず面談(二時間程度)をすることを通じて、目標に対する進捗や先月からの動き、
発生した問題や解決策等についての直接的な指導や相談を受けられます。

フォーラムは「上下関係」「問題解決」があってはならない場ですが、メンターシップでは、
むしろ「上下関係」「問題解決」を売りにしたコンテンツです。
(現役の急成長中の先輩経営者の方に2時間も自分のためだけに時間を頂けるのは本当に得難い機会であり
その価値は計り知れません。)

飯原はEO Japanでメンターシップが本格化した初年度のメンターシッププログラムの6人のメンティーに
有難いことに選んで頂き、ポジティブドリームパーソンズの杉元社長
メンターになっていただき、全9回のプログラムで残り1回を残すばかりですが、
大きな手応えや実感を感じています。(杉元社長、本当に毎月ありがとうございます!)

■営利目的ではなく手弁当での運営
長くなりましたが、以上のようなそれぞれのコンテンツはEO Japanという組織が
提供してくれているものですがその全てが、
会員である起業家が相互扶助・手弁当でお互いに提供しあっているものです。

会費をとって、サービスを提供してそれで儲けを出している運営者がいるわけではなく、
会員が相互に協力しあって、良い組織・良いコンテンツを創り、その結果お互いの会社や人間としての成長を
助けあうという世界観に成り立っています。

私などと比べるまでも無い、大きな組織・事業を率いていらっしゃる多忙な起業家の方々が
会長や副会長、またそれぞれのコンテンツを提供する機能を担う部署の理事や委員になって
組織活動を行い、運営されています。(まるでもう一つの会社のようです。)

※ 
現状のアドバイザリーボードと歴代会長、そして理事・委員のメンバーはこちらです。特に会長以下、理事・委員は名誉職などでは無く、実務を担ってEOのために手弁当で汗をかいているメンバーです。

基本的に異業種交流会や◯◯の会などは苦手だったりご遠慮していたのですが、
EOでの活動に定期的にコミットさせてもらっているのは上記のような理由からです。
(まだ上記サイトに反映されていませんが、今期後半と来期(7月〜)は飯原はお世話になったメンターシッププログラムの委員になっています。)

ずっと個別のメンバーに断片的に伝えていた内容なので、一度まとめる必要があると考えていました。
少しでもイメージが共有できれば嬉しいです。